1. はじめに
Visual Studio 2022 で OpenSSL のスタティックライブラリをビルドする方法について説明します。
OpenSSL のソースコードは GitHub で公開されています。
ビルドには Perl と NASM が必要ですが、今回は、NASM を使わない方法でビルドします。
2. OpenSSL のダウンロード
OpenSSL GitHub からソースコードをダウンロードします。
git clone https://github.com/openssl/openssl.git
保存場所はどこでも構いませんが、ここでは C:\
直下に保存することにします。
2. Strawberry Perl のインストール
Perl がインストールされていない場合は、Strawberry Perl をインストールします。
環境を汚したくないのであれば、Portable 版をダウンロードして使うことをお勧めします。
今回は面倒なので、MSI インストーラを使います。
3. Visual Studio 2022 でビルドの準備
Visual Studio 2022 の開発者用コマンドプロンプトを起動します
64bit 版の場合は、x64 Native Tools Command Prompt for VS 2022
32bit 版の場合は、x86 Native Tools Command Prompt for VS 2022
を管理者権限で起動します。今回は 64bit 版を使います。
コマンドプロンプトを実行したら、OpenSSL のソースコードがあるディレクトリに移動します。
例えば、C:\openssl
にソースコードを保存した場合は、次のようにします。
cd C:\openssl
4. Configure
次に Configure を実行します。
Configure は、ビルドする環境に合わせて設定を行うスクリプトです。
今回は、64bit 版のNASMを使用しないでスタティックライブラリをビルドするので次のようにします。
perl Configure VC-WIN64A no-shared no-asm
5. Make
Configure が終わったら、次に Make を実行します。
Make は、Configure で設定した環境に合わせてビルドを行うスクリプトです。
# ビルド
nmake
# テスト
nmake test
# インストール
nmake install
ビルドが成功すると、x64 の場合、C:\Program Files\OpenSSL
に出力されます。
6. 出力されたスタティックライブラリの確認
lib フォルダの下に libcrypto.lib と libssl.lib が生成されていることを確認します。
こちらを使って、自分のプロジェクトに組み込むことができます。
7. まとめ
Visual Studio 2022 で OpenSSL のスタティックライブラリをビルドする方法について説明しました。
Secure な通信を行うためには、OpenSSL は欠かせないライブラリです。
スタティックライブラリを用意しておくことで、自分が作成したプロジェクトに容易に組み込むことができます。
参考になれば幸いです。
A. 参考サイト
- OpenSSL GitHub
- Visual Studio 2019 における OpenSSL のビルド
- Windows で OpenSSL を ビルドする
- OpenSSLをビルドする for Windows (+ Visual Studio )
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